MINNAGO NAGOYAKU

「地域の方が安心して暮らせるサポートを」。専門性を有したプロ集団で多様な相談に応える

株式会社伊藤薬局

川邉 祐子

いとう薬局 南店/薬剤師・愛知県薬剤師会常務理事・愛知県女性薬剤師会副会長

「地域の方が安心して暮らせるサポートを」。専門性を有したプロ集団で多様な相談に応える

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2019.11.08

私が “地域” で働く理由

愛知県薬剤師会の常務理事、愛知県女性薬剤師会副会長を務めるなど、職能団体の中核として、薬剤師業界を牽引する川邉さん。
結婚、出産というライフステージを経て、調剤薬局のパートからスタートを切った川邉さんは、薬局や薬剤師の理想像を追求し、着実にキャリアアップを重ねています。

また現在、川邉さんが所属するいとう薬局 南店は、厚生労働省が定める健康サポート薬局の基準に適合した薬局として、地域住民の健康保持・増進に積極的な取り組みを実践中。川邉さんもそのリーダーとして、未来へつながる新しい薬局の役割に挑んでいます。

患者さんファーストで地に足のついた薬局を

薬剤師になったきっかけと、これまでのキャリアについてお聞かせください。

両親共に薬剤師という家庭に育ちましたが、正直、薬剤師になりたいという強い意志を持った記憶は一度もありませんでした。自宅から近いという理由で、何となく入学を決めた大学の薬学部を経て、卒業後は製薬メーカーの品質管理や研究を担当。結婚を機に、寿退社をしました。

結婚後は育児をしながら、母が個人で営んでいた薬局を留守番程度に手伝う日々。昔ながらの町の薬局だったので、顔見知りの近所の方が来店してOTC医薬品を買い、健康ドリンクを飲みながら長時間おしゃべりをしたり、時には子供をあやしてくれたり。のどかな雰囲気でした。

そんな生活を5年ほど続け、社会復帰を考え始めていた頃、時代の潮流の中で調剤薬局への注目度が高まっていると感じ、パートとして調剤薬局に勤務することを決意。薬学部卒業と言っても、ほとんど調剤経験がなかったので、愛知県女性薬剤師会の未就業薬剤師支援講座(現:愛知県薬剤師会の再就業支援講座)や、愛知県女性薬剤師会の研修などを利用し、知識やスキルアップに励みました。

その後、介護保険制度開始を機に、ケアマネジャーの勉強をするため、居宅介護支援事業所を併設した薬局へ転職することにしました。しかし7、8年勤めた頃、一つの転機が訪れます。勤めていた薬局がM&Aにより大きく経営の方針転換を図ることになったのです。急激な変化に違和感を抱いていた頃、かねてから交流のあった、現在所属するいとう薬局の社長が声を掛けてくれたのです。

薬剤師会などで一緒に取り組んでいた時の言動などから、患者さんのことを第一に考え、地に足をつけて真摯に取り組む薬局としての姿勢に共感する部分が多かったこともあり、入社を決意しました。

職場における川邉さんの役割を教えてください。

管理薬剤師ではないので、他のスタッフと比べて特別な業務があるわけではありません。しかし、愛知県薬剤師会や愛知県女性薬剤師会など、各組織で責任ある立場を担わせていただいていることもあり、最新の情報収集、職場や患者さんへの情報のアウトプットなど、情報の媒介者としての役割を期待されているということは感じます。

もちろん、通常の薬局業務以外に時間も労力もかかりますが「頼まれ事は試され事」という心意気で、声を掛けて頂けることに感謝しながら、できる限りの力を尽すようにしています。

川邉さんの一日

午前中

出社前の時間を利用して、薬剤師会の打ち合わせなどに参加

13:00

出社、午前中の患者さんについて、スタッフ間で情報共有。窓口での服薬指導や処方箋をもとに調剤などを行う

14:00

在宅介護の高齢者宅を訪問し、健康相談・服薬指導などを行う

15:00

薬局へ戻り、調剤や服薬指導

20:00

調剤業務終了、退社

雇用形態にかかわらず“一薬剤師”の意識を持つ

母として2人のお子様を育て上げ、またお孫さんも誕生されるなど、女性としてのライフステージとキャリア形成を両立されている川邉さん。女性が働く上で意識すべき点など、アドバイスをお願いします。

愛知県女性薬剤師会の再就業に関する講演会などでよくお話をさせていただくのは、薬剤師という国家から与えられた資格を持っているということを常に意識してほしいということ。例えば正社員、パートなどの雇用形態にかかわらず、患者さんにとって一人の薬剤師であることに変わりはありません。パートだからわかりません、できませんということは言ってほしくはないですね。国家資格を有しているという自覚と誇りを持ってスキルアップにも励んでほしいと思います。

ただ一方で、育児、子供の行事、介護など、プライベートな用事に時間を割かなくてはいけない場面が多いのも事実です。そういう時には、職場の仲間でフォローし合うという気持ちを互いに持ってほしいと思います。

介護や育児など、人生で積み上げてきた一つ一つの経験は、薬剤師にとって非常に有効なスキルになります。女性ならではのライフステージをブランクと捉えず、メリットと考えてほしいと願っています。

専門知識や得意分野を持つ薬剤師のプロ集団に

健康サポート薬局の基準適合薬局としての役割や、将来像をお聞かせください。

健康サポート薬局は主に、かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能を有していること、地域住民による主体的な健康の維持・増進を積極的に支援する薬局であることが求められています。まだ取り組みが始まったばかりで、今後どのように広がり、浸透していくかは未知数ではありますが、私たちにとって重要なことは、どのような相談が来ても対応できるように、情報の引き出しを増やすこと。薬局だけでできることには限界があります。だからこそ、いろいろな分野にアンテナを張り、患者さん一人一人に最適な情報を提供し、医療や介護など、次へ繋げられるステーションであれば良いのではないでしょうか。

その姿を実現するためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。

私が考える薬局にとっての一番の財産は、それぞれに得意分野やスキルを持った薬剤師が集結していること。例えば、糖尿病に精通している人、血圧のことに詳しい人、がんの専門知識を有する人、女性の疾患に強い人などプロフェッショナル集団であることが理想です。

その点、いとう薬局では、学術大会への参加や発表、資格取得などを推奨し、専門性の向上をサポートする制度があることも後ろ盾になっています。糖尿病療養指導士や公認スポーツファーマシスト、禁煙サポート薬剤師、妊娠・授乳サポート薬剤師など、多くのスタッフが様々な専門知識習得に奮励。各自が吸収した知識、学術大会や各種セミナーなどで得た情報は適宜、PCメールなどで共有しています。

私自身も妊娠・授乳サポート薬剤師や骨粗鬆症マネージャーの研修などを経て、認定を受けています。若年層の月経に関することから、妊娠、育児、高齢者層の骨粗鬆症まで、女性のホルモンやヘルスケアに関することをトータルでフォローしていきたいと思い、現在も勉強を続けています。

また、いとう薬局では全店舗に認定実務実習指導薬剤師が勤務し、薬学実習生を積極的に受け入れている点も特徴の一つ。薬学生に実践の場を提供し、後進の育成に貢献するという義務を果たすことにとどまらず、各店舗のスタッフにとっても貴重な機会に。現場スタッフは、薬学教育が6年制になる以前のカリキュラムを経て薬剤師になっている人が大半のため、より専門的かつ最新医療の知識を学んでいる現役の薬学生から逆に教わることも多く、刺激を受けています。

何でも話せる、何でも相談できる薬局

薬剤師として、いとう薬局で働く最大の魅力はどこにあると感じますか。

大手の薬局のように、キャリアアップのための揺るぎないシステムや綿密な研修・教育制度を望む方の期待に応えることは難しいかもしれません。しかし画一的な取り組みではなく、薬剤師として果たしたいこと、挑戦してみたいことなどを思い描いている方にとっては、チャレンジする土壌が整っている職場ではないでしょうか。社長との距離感が近く、いろいろな意見を発信しやすいという環境が魅力だと感じます。

今後、いとう薬局が目指す方向性は?

もちろん、品数や価格面では大手のドラッグストアに太刀打ちすることは困難です。しかし、日々の健康のこと、在宅医療、セルフメディケーションなど、気軽に何でも相談できる場所になるという、町の薬局が担う真の役割を果たせる存在でありたい。だからこそいとう薬局では、OTC医薬品や健康機能食品についても、勉強会などで確かな知識を得たり、実際にスタッフが使ってみたりと、納得できる商品しかお薦めしていません。

以前、薬剤師の仕事について「ヒューズのプラグのようなもの」と喩えた方がいらっしゃいました。つまり薬剤師というのは、危機的状況が起きないように事前にチェックし、防ぐ仕事なのです。トラブルが起きない限り、注目を集めることはない。しかし表に見えない所で、薬剤師である我々が着実に役割を全うすることで、地域の方が安心して暮らし、安全な医療を受けることができる。そこに大きなやりがいと誇りを感じられる人と共に、今後も“何でも話せる、何でも相談できる薬局”を目指していきたいです。

川邉さんがここで働く理由

患者さんと真摯に向き合う姿勢
利益最優先ではなく、常に患者さんのためにできることを考える社風が息づいている。また患者さんのことを考えた新しい提案や取り組みに対して、スタッフ個々の意見を取り入れる体制、積極的に挑戦できる環境が整っている。
プロ意識の高い仲間がいる
向上心があり、様々な情報や知識を柔軟に受け入れながら、学び続ける意識を持ったスタッフに囲まれていること。またさらなるスキルアップをサポートする会社の体制があること。

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